ものみなうるわし、ものみなたのし

 第九の「歓喜の歌」には様々な歌詞がつけれらて歌われて来ました。ネットで調べた限りですが賛美歌の「あめには御使、喜びうたえ」や「あめにはみさかえ」もそうです。ぼくが日曜学校で歌っていた歌詞は「ものみなうるわし、ものみなたのし」という歌い出しで、この二つの賛美歌の歌詞とは全く違います。
 小学校の音楽の教科書に載っていたのが「晴れたる青空、ただよう雲よ」という岩佐東一郎さんの作詞。最近ではなかにし礼さんが訳詞にたずさわっていますが、ぼくとしては幼い頃に親しんだ賛美歌の文語調が一番耳に馴染みます。

天使って…

 アンソニー・ウェイの「天使の祈り」を聴く。「歌わずにいられない」「イギリスの緑の草原」など美しい曲が耳に心地よい。心地よすぎて仕事のBGM向きではないですね。手を休めて聞き入ってしまう。
 続けて「アンソニーのクリスマス」を聴く。タイトル通り、クリスマス・キャロル集。管弦楽を使った華やかなオープニングからクリスマス気分を盛り上げます。アンソニーの歌声も素晴らしいですが、セント・ポール大聖堂聖歌隊の合唱がまた「クリスマスはこうでないと」という感じでいい気持ちにさせてくれます。なんだか今月は一月遅れでクリスマスを祝っている気分。いや、(前向きに)今からクリスマスを祝っている気分というべきか?
 しかし、ボーイソプラノや少年合唱団のCDに「天使の」とか「エンジェル」というタイトルが多いのには閉口します。気持ちはわかるし、営業政策上いたしかたないというも理解できますが、はっきりいってややこしい! 「Voices of Angels」と「Angel Voices」なんてどっちがどっちなのか? しかも「Angel Voices」には他にカストラートの歌唱をカウンターテナーで再現した同タイトルのCDもあります。「Voice of an Angel」てのはシャルロット・チャーチのアルバム。「angel's voice」は奥井雅美のミニアルバム。Della Reese「Voice of an Angel」(ゴスペル)。「エンジェル」で検索かけたらクラシックで27件、ポップスで320件ヒットしました。天使ではクラシック340件、ポップス386件。以上アマゾン調べ。

目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声

 バッハ「カンタータ第140番&147番」。アーノンクール指揮。テルツ少年合唱団。テノールとバスが大人、ソプラノとアルトがテルツ。「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声(めざめよと呼ぶ声がして)」「心と口と行いと生きざまもて」(前者の第四曲「シオンは物見らの歌うを聞けり」後者の終曲「イエスは変わりなきわが喜び(主よ、人の望みよ喜びよ)」は誰でも一度は耳にしたことがあるはずです)とまあ美味しいどころ取りした一枚。昔出たワーナーのクラシックベスト100の千円というのがさらに美味しいですね。あの千円や千五百円のいかにも「クラシックの底辺を拡げたい」企画って、ちゃんとチェックしないと損ですね。