読んだ本と聴いたCD

  • 横山秀夫「真相」(双葉社
    • 例によって暗い、重いの短編集。警察物は暗くても、どこか距離を置いて読めるので、いいんですが、今回は一般人のお話なので、身につまされるというか、ツライものがあります。ただ、横山さんが好んで描く生きて行くことに不器用な人々というのは極端な例であることも頭ではわかっているし、微妙に救いがあったり(救いともいえない仄かなものだけど)するので、読んでそんなに憂鬱になることはありません。それよりもこないだの朝日新聞に出てた横山さんの父上のことを書いた一文の方が痛かった。病気でろくに働けず、鬱屈し、息子の就職を素直に喜べないで「俺の仕事はないのか」と呟く父親。そういう業の深さは省みればぼくにもあるわけです。具体例は痛すぎるので書きません。
  • ブルーノ・ラプラント/マルク・デュラン「エリック・サティ歌曲全集」
    • 久しぶりに聴く。サティは身構えて聴かない方がいいようです。なにしろ家具の音楽の人ですから、仕事のBGMというのが一番気持ちいい。歌曲も一緒ですね。聴くともなしに聴いて、ところどころ、妙なところで聞き耳を立てて、ニヤッとする。「生まれつきの禿」「ネズミのアリア」などというふざけたタイトルにニヤニヤする。
  • 木村大「駿馬」
    • これも久しぶり。収録曲はエイトール・ヴィラ=ラボス、アンドリュー・ヨークなど20世紀のギター曲。鎮静作用があって、BGMとしてもいい感じ。
  • LIBIDO「L'ete」
    • ギャルゲーとは全く関係がないので、検索で来たゲーマーな皆さんはガッカリするように。80年代に活躍したインディーズ・バンドのベスト・アルバムヤフオクにて落札。夭折したリーダーの成田弥宇とは一時期交遊があり、落札した動機には「レコードしか持ってないから」という以外に多分に感傷が含まれています。随分年月がたっているので冷静に聴けると思ったんですが実際に「低く飛んでいく」なんか聴いちゃうともう色々思い出してしまって、やはりというか、なんというか、感傷的になってしまいました。歳とったんかなぁ。