聴いたCD

  • キングズ・カレッジ聖歌隊「エレミア哀歌」(アルゴ盤)
    • タリスの「エレミア」にも色々ありますが、ボーイソプラノ党としてはまずコレですね。静かな、湖面に風が吹くような、環境音楽のようなイメージ。これもダウナーです。名盤が色々あるので聞き比べたい。
  • クレマン・ジャヌカン・アンサンブル「ラプレーにことよせた歌の饗宴(ラブレーの楽しい集い)」
    • ラブレーの「ガルガンチュワとパンタグリュエル」に名前が挙げられた音楽家の曲を集めたという奇抜な一枚。ご存知の方も多いと思いますがラブレーの「ガルガンチュワ」といえば、巨人ガルガンチュワが飲むわ喰うわの大暴れを演じる滑稽文学の古典ですね。ウンコやオシッコやオナラもバンバン出てくるので、スカトロジー文学と呼ばれたりもします。というわけで、さぞや、お下品な盤かと思いきや、これが普通に楽しく美しいルネサンスの世俗歌曲集。内容を知らなきゃ「まあステキ」というところでしょう。原詞を聞き取れて、理解できないと面白さは半減します。だから、いくら安くても日本版ライナーのついていない直輸入盤は避けるべき。訳者の細川哲士さんも気合い入ってます。「俺達はおサルさん修道会の者だ」「けっして豚は食わないぞ」「ラ、ラ、ラ、そのことは口にする気はないけれど」などというタイトル(というか歌い出しですね)からバカ全開で最高です。露骨な猥歌もあれば、大食らいな歌もありで、キングインターナショナルさんも「原詩の意味を正確に伝えるという訳者の意志を尊重して、あえて全曲歪曲せずに表記しました」と断り書きを入れつつも全開です。当たり前といえば当たり前なんですが、こういうの嫌う人もいるからなあ。ちなみに、モーツァルトも下ネタ大好きだったというのは有名な話ですが、実は、あの当時はあれで普通だったという説もあります。モーツァルトはたまたま筆マメだったので後世に残ってしまっただけの話かもしれません。