読んだ本

  • 富樫倫太郎「闇の獄」中央公論社
    • 押し込み強盗の手先だった遊び人が、裏切られ、焼き殺されかけ、座頭の暗殺集団に命を買われ、殺人者として仕込まれ、座頭になるために目を潰され…という地獄のような時代小説。暗殺者に対する報酬として桃源郷(酒、女、クスリ)が用意されているあたりはまるでイスマイリ派アサッシンですね。とにかく死体が山盛りで、読んでて、ノワールっぽいなあと感じました。そのまま馳星周的なノリで突っ走ってくれれば良かったのですが、非情になりきれない作者自身を最後に露呈してしまったのが残念。