グールドのバッハとシェーンベルク

  • グレン・グールド「バッハ:トッカータ(全曲)」
    • 中古を購入。熱はおさまったとはいえ、やはりグールドは特別です。トッカータはグールドの盤の中でも小粒な感じがしますが、何を弾いてもグールドなわけで、時に沈潜し、時に昂揚し、仕事になりません。これでグールドのバッハは一通り聴いたことになります。後は図書館率を下げて行くだけというのがちょっと淋しい。
  • パニアグア「マリアの生涯」
    • はっちゃけパニアグアじゃなくって、学者パニアグアですね。スペイン民衆古楽のマリア讃歌を聖母の伝記のように構成した力作アルバム。ぼくは、ピリオド楽器を使ってモーツァルトやバッハ…というのも好きですが、こういうまさに古楽らしい古楽には、よりグッときます。最初の器楽演奏「夜明けの星」からガーンと一気にタイムスリップしてしまいます。従来の「西洋音楽」とは全く違う。西洋以前の音、中近東風の音です。全体を通じて太鼓ドンドコなパーカーションの効いた心地よい楽曲が多く、ワールドミュージックとかニューエイジとかヒーリング好きの人にもお薦めです。中にはコーラン詠唱風の歌もあり、イベリア半島の文化は根っ子のところでイスラムの影響を受けているのだなあと納得。もちろんそれだけではなく、それ以前にはケルト文化圏でもあったわけですから、独特の混淆文化になっているわけです。