おたく
おたく:人格=空間=都市 ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展-日本館 出展フィギュア付きカタログ ([特装版コミック])
- 作者: 国際交流基金
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/09/30
- メディア: ペーパーバック
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- 国際交流基金からの献本です。さて、ヴェネチア、ぼくの周りでも賛否両論がありますが、さすがに関係者を除いてヴェネチアまで行った人はいません。海外の美術館からも引きが来ているそうですが、日本の美術館関係者は何をしているのでしょうか? 六本木ヒルズで展示すればいいのに。今回のヴェネチアには、知り合いが何人か関係しているので、ぼくも勝手にサポーター気分なのですが、批判的な意見の中にも面白いものがあります。例えば「パリ万博の再演ではないか」という意見があって、乱暴に言ってしまえばエキゾチック・ジャパンの21世紀版だという見方ですね。オタク産業立国というか石原都知事のアニメ振興策のような、日本のムラ起こしという側面は無視できません。政+財+官+広告代理店+シンクタンクの連携は当然あるでしょう。ただ、オタク文化自体が、経済活動の一端を担っている以上(少なくとも消費活動はオタク的生活には不可欠だし、前にも書いたように、消費活動自体が表現そのものでもあるわけです)は、それを言い出しても始まらないのではないかという気がします。これまででも、消費者であるオタクは市場として分析され、囲い込まれ、分断され、何度となくカモにされてきました。しかし、オタクとその文化はそれ以上にタフだったと思います。このへんのことを書き始めるとキリがなくなるのでやめておきますが、囲い込もうとしても囲いきれない、定義しようとしても定義しきれない市場だからこそ、今まで続いて来たんだと思いますよ。知人の漫画家は「東浩紀さんのいう『萌え』も発表時点では言えてると思ったんだけど、どんどん進んでるんですよ。だって50円玉に萌えるんですよ。もうワケわかんないですよ」と慨嘆していました。オタクとか萌えとかは逃げ水のようなところがあります。というあたりで、やめときます。ホントにキリがなくなるから。