• ハネケンさんらしい、軽妙洒脱な、微妙に面白くないんだけど、そこがまたハネケンという語り口。日本に初めて来たピアノの来歴を訊ねるというテレビ番組がベースになっているのに、写真とか地図とかが一切ないというのはどういう編集なんでしょうか? 編集者はもうちょっと考えて欲しい。内容的に興味深いだけに残念。シーボルトの子孫に会いに行くところなんかドキドキしますよ。

お雇い外国人の見た日本?日本洋楽事始

お雇い外国人の見た日本?日本洋楽事始

  • 上の本でも触れられていた、シーボルト採譜による「かっぽれ」を聴くことができます。他のシーボルトやシャルル・ルルーの曲は、予備知識なしに聴くと日本の曲とは思えません。日本的音律は西洋音楽の譜面にしづらいようですね。その意味では後半に収録されているルドルフ・ディットリヒの採譜は、かなり正確。この人はブルックナーの弟子であり、ハプスブルク家最後の宮廷音楽家という経歴の持ち主で、彼の譜面は後にプッチーニの「蝶々夫人」に引用されたそうです。ちなみに、ディットリヒが日本女性との間にもうけたのが俳優根上淳さんのお父上とのことで、ライナーには根上さんも寄稿しています。ちなみに「君が代」の選定と編曲に携わったフランツ・エッケルトの曲も収録されています。トリビア好きにはたまらない一枚ですね。

 考えてみたらはてな日記をはじめて丸一年たっていました。
 自分におめでとう。
 読んでくれた人、コメント書いてくれた人、ありがとうね。
 来年もこんな調子でやって行きます。