レクイエム!?

 『題名のない音楽会21』はモーツァルトの人気ベスト20という特集。このくらいだと知ってる曲ばかりですね。「癒し」というテーマでの投票だそうで、免疫学の和合治久教授が解説すんのが笑えました。「フルート四重奏曲は副交感神経を刺激し免疫力を高めます」「落ち込んでいる人が夜の女王のアリアを聴くと元気が出ます」ううむ、しゅばらしい。で、その元気がでる歌を歌ったのがサイ・イエングアン(http://www.saiyanguang.net/)。ガッチリとした体格でけっこうな迫力。この人だけで番組一本作ればいいのに。他にフルートの高木綾子http://www.kajimotomusic.com/artists/takagi_ayako.html)、少年ピアニストの北村朋幹が登場。第一位が「レクイエム」だったのにはちょっとビックリ。来週は森麻季岡本知高美女と野獣対決じゃなくってソプラノ対決。楽しみです。

 で、夜はまず『N響アワー』で「N響神戸特別公演〜阪神淡路大震災から10年」と題された追悼演奏会。アシュケージュ指揮の『レクイエム』を聴く。ソプラノは森麻季。合唱は神戸市混声合唱団。アンコールは『アヴェ・ヴェルム・コルプス』。

 『芸術劇場』。ルネ・ヤコプス指揮の『フィガロの結婚』を観る。録画したので、適当につまみ喰いすればいいやと思っていたのに、ついつい観てしまいました。ルカ・ピサローニがオッサンくさくない美形のフィガロだったのが良かった。他の配役もすげー似合ってます。ケルビーノはもうちょっと少年っぽいがいいかな? 舞台装置も素晴らしい。さすがはシャンゼリゼ♪ おフランスは違いますね。古楽好きとしては音も気になるところでしたが、それほど古楽古楽してない感じ。演出は大胆。スザンナとフィガロのイチャイチャぶりも露骨だし、恋に恋するケルビーノはほとんど色情狂状態で転げ回っております。伯爵なんかセクハラ大王ですよ。途中で何回も噴き出しましたよ。ちょっとエッチな恋愛喜劇としてはこれくらいやってもいいんじゃないでしょうか? 元々の貴族制度批判及び男性優位社会への批判ないしは揶揄という文脈はちゃんと生きています。完全版も放映して欲しいなあ。

Pieces of Africa

Pieces of Africa

  • アーティスト: Dumisani Maraire,Foday Musa Suso,Hamza El Din,Hassan Hakmoun,Justinian Tamusuza,Kevin Volans,Obo Addy
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  • 発売日: 1994/10/26
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  • 実際に聴いたのは国内盤の「アフリカン・アルバム」。タイトル通り、ジンバブウェ、モロッコガンビアウガンダスーダン、ガーナの作曲家の作品を収録。ケヴィン・ヴォランズ(南アフリカ)の「ホワイトマン・スリーブス」のオリジナル版も入ってます。かなり民俗音楽してるわけですが、クロノスが演奏すると一気に洗練されちゃって、民族性を超えた「音楽」になってしまいます。これも一種のグローバリズムかもしれません。アート・アンサンブル・オブ・シカゴのアフリカ回帰とは全く別の文脈ですが、どちらが正しいという問題ではなく、どのような文脈であろうとも、一定の水準を超えると文脈を意識させずに聴かせてしまうということです。