くまくま

熊の場所

熊の場所

  • 舞城王太郎の長めの短編三本を収録。暴力的で奥行きがあって読んでるうちに血がたぎる感じ。表題作はちょっとヘミングウェイ的なマチズモが漂っていて、そこが三島賞候補になったポイントかも? とはいえ、この人は全部計算して、きっちりきっちり積み重ねて、どんな作品でも自己言及的でメタ的で、その意味でも、ちゃんと現代文学やってる。ただし、その計算は、ウケ狙いとかではなく、身体から凄まじい圧力で溢れ出す言葉の束をコントロールするためのメカニズムのようだ。