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ジョン・レノン暗殺―アメリカの狂気に殺された男

ジョン・レノン暗殺―アメリカの狂気に殺された男

  • チャップマンはジョンの熱狂的なファンで「アイラブユー」と言う代わりに引き金を引いた…と思ってたんですが、本書によればチャップマンがジョンのファンだった証拠はゼロだそうです。ビートルズのレコードも一枚も持ってなかった! 本書はケネディ兄弟、キング牧師マルコムXの暗殺事件とアメリカ政府内勢力の関連を採り上げ、レノン暗殺との類似点を次々指摘します。陰謀史観と片づけることは簡単でしょうが、「頭のおかしなストーカー的なファンの売名行為」にしては異常すぎるのです。本書は公開されたFBI文書(ジョン・レノンは政治的危険人物として極秘裏に監視下に置かれていた)などの資料をベースにしつつ、大胆な仮説を展開しています。まるごと鵜呑みにできないとしても、アメリカ裏面史としても読み応え充分。これが真相だとすると、ジェイムズ・エルロイの描く「悪い白人たちの歴史」が絵空事ではないということになりますね。