命日

 春になると、成田弥宇の命日が近いことを思い出す。岩田次夫が亡くなったのも昨年の春だ。どちらも命日は過ぎちゃってんだけど、こんないい季節になあとも思うし、いい季節に世を去ることの徳みたいなものも考える。センチメンタルな表現だけど、思い出が花に包まれるようなところがあるからだ。徳の低いぼくなどは真夏に逝って、遺されたみなさんに「このクソ暑い時期に…」とグチをこぼされそうな気がする。今からゴメンと言っておこう。まあ、あと50年は生きる予定なんですけどね。