図説 西洋騎士道大全

図説 西洋騎士道大全

 ファンタジー好きにもオススメ。中世騎士の成立と変遷をコンパクトに知ることができる。『ベルセルク』の考証とかやりたくなるかもしれない。騎士伝説といえば明日から始まるゲルギエフの『ニーベルングの指輪』(http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=011704&ks=10)の「当日渡し券」のお知らせが来てるんだけど、国内オケの最安席の空きを探しているようなオレです。47000円! そんなお金はどこにもないぞ。脇道に逸れましたが、騎士が時代遅れになったのは弓兵と歩兵による戦術の発達。ぶっちゃけて云えば、数万本の矢の雨を降らせて馬を倒し、馬から落ちて動きが緩慢な(20キロ以上ある甲冑のため)騎士を歩兵がよってたかってメイスやフレイルでタコ殴りにして甲冑の隙間から短剣で刺したり、ピックで穴開けたりして倒したわけだ。実際、弓の威力は侮れない。クロスボウなら甲冑を貫通することが可能だし、長弓でも垂直に当たれば射抜くことができる。以前見た和弓の実験ではフライパンを打ち抜いてました。あと面白いのは、アーサー王伝説などのフィクションを現実の騎士が模倣するという流れ。伝説が規範を作り、一時ではあれ、その規範が戦争のスタイルを決定づけたというのが、なかなかバカだと思う。結局はリアリズムに負けて騎士道は衰退して行く。


ベルセルク (29) (Jets comics)

ベルセルク (29) (Jets comics)

 西洋甲冑萌え♪ 武器に関してもよく調べてあります(エラソー)。