Mozart: Apollo et Hyacinthus - Complete Mozart Edition Vol.26

Mozart: Apollo et Hyacinthus - Complete Mozart Edition Vol.26

 モーツァルトの最初期のオペラ『アポロとヒュアキントス』。一番好きな盤は以前日記にも書いたテルツ少年合唱団のLD。LDは廃盤だが配役の違うCDはまだ入手可能だと思う(ぼくはテルツの公式サイトから購入しました)。普通に考えれば大人版の方が技術的にも表現的にも良質ということになります。しかし、これと『バスティアンとバスティアンヌ』はボーイソプラノ版がベスト・チョイスでしょう。元々ボーイソプラノ、ボーイアルトを想定して書かれた作品だからという原理主義的な理由はさておき、ぼくは無垢の表象である「性以前の段階」である「少年」が「大人の男女」に扮して「未だ知らぬ」恋を歌うという倒錯的な構造自体に惹かれます。例えば神に愛されることの幸せを臆面もなく歌い上げるメリアのアリアもずいぶん印象が違う。この盤のArleen Aug醇Prの歌唱は余裕の歌いっぷりで、悪くはないのですが、LD版のアラン・ベルギウス(屈指のボーイソプラノ)の熱唱には負けます。


ユニバーサル・シンコペーションズ

ユニバーサル・シンコペーションズ

 ヤン・ガルバレクつながり。ベーシスト、ミロスラフ・ヴィトスのリーダー・アルバム。チック・コリアジョン・マクラフリンジャック・ディジョネットと豪華な布陣。とにかく腹にぐんぐんと響くベースと突き抜けるサックスの交錯が気持ちいい。