悲しみの聖母

ペルゴレージ : スターバト・マーテル

ペルゴレージ : スターバト・マーテル

 バルトリ(メゾ)とジューン・アンダーソン(ソプラノ)の二重唱が絶品。独唱ではアンダーソン透き通って、なおかつ力のある歌唱に感じいりました。ほんと、美しい音楽がここにあるって感じ。あと、菅野浩和さんの解説がコンパクトでグッド。「スターバト・マーテル」ってどいう意味やろ? と思いながら調べもせんかった自分としては「ほほお、『御母は立っていた』という意味か」と膝ポンでしたよ。ラテン語でマーテル=母ってことは知ってましたがスターバトが英語でいえば「スタンド」だったとは知らなんだ。正確には「スターバト・マーテル・ドロローサ」とつながって「悲しみの聖母が立つ」となるわけですね。で、どこに立っているのかといえば我が子の遺体が架けられた十字架の下です。今谷和徳さんの訳だと第一節はこんな具合。

Stabat Mater dolorosa
luxta crucem lacrimosa
Dum pendebat filius
悲しみに沈めるみ母は涙にくれて、
み子が掛かりたまえる
十字架のもとにたたずみたまいぬ