ネトレプコ

 日曜の夜、徹夜になることがはっきりしたので、開き直って芸術劇場を見る。
 N響アワー菊池成孔がゲストっつーことで気になっていたのだが、さすがにそっちはパス。
 芸術劇場も全部は無理。
 とりあえずは一番見たい聴きたいザルツブルグであります。
 情報コーナーは堀内修さんがゲストで、今年のザルツブルグ音楽祭のご紹介。
 注目はムーティの「魔笛」と、アーノンクールの「フィガロ」。
 「魔笛」はコスチューム、舞台装置が可愛くて、萌え度高そうな雰囲気。ところが堀内さんは「演出もおとなしいし、子供向けですかね、あんまり評判にもなんなかったし」とネガティヴなコメント。でも夜の女王のディアナ・ダムロウを褒める。前半あまりいいとは思わなかったので、アレと思いましたが、後半はイイ感じ…ところが堀内さんの絶賛がかぶさって聞こえないよ…。
 でも、次の「フィガロ」を見ると「魔笛」はかすむ。いや、もうスゴイです。もちろんネトレプコが目玉なんですが、ケルビーノのクリスティーネ・シェーファーも、伯爵夫人のドロテア・レシュマンも絵になるし、ダンス的な所作もすばらしい。これは見たいです。半ズボン&天使の翼つきケルビーノが見たい。去年の「椿姫」みたく、1月に放映したりせんのだろうか?
 公演コーナーはガラ。
 ダニエル・ハーディング指揮のウィーンフィルで、「ドン・ジョヴァンニ」「ポントの王ミトリダーテ」「皇帝ティトゥスの慈悲」「イドメネオ」のアリアを歌いまくるというオール・モーツァルト
 去年の「椿姫」に出てたネトレプコとトマス・ハンプソンが出るというのが楽しみで、実際、この二人が抜群というかスゴすぎ。ハンプソンはマフィアの代貸し演らせたら似合いそうな貫禄がありますね。「椿姫」ではバカ息子(ビリャソン)のパパ役だったんだけど、長いコート着て出てきた時にはしびれました。カッコイイんだコレが。ネトレプコは最初からアクセル全開。役にハマってますよ。一気に観客を掌握して、どんどん高みに上り詰めていきます。ホント、波に乗ってる人は違うよなあ。
 二人以外ではソプラノのパトリシア・プティボンがキレイで、メッゾのマグダレーナ・コジェナーが上手い。コジェナーとソプラノのエカテリーナ・シウリナの二重唱も微妙にユリっぽくてステキ。最初に「カタログの歌」を歌ったバスのルネ・パーペの表情が絶品。テノールのミヒャエル・シャーデはわりとフツウでしたね。てゆーか、テノールはよっぽど突出してないとフツウに聞こえちゃう。
 「プラハ」が始まった時点で仕事に復帰。
 しかし、比べるのもどうかと思うが、こういうのを見て聴いてしまうと、土曜のキャサリンジェンキンスのコンサートが色褪せてきちゃうんだよなあ。もうちょっと演出とかプロデュースとかなんとかならんもんか? もったいない。