パックス・モンゴリカ
- 作者: ジャックウェザーフォード,Jack Weatherford,星川淳,横堀冨佐子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
これは塩野七生の『ローマ人の物語』でも言われていることだが、地球半周帝国の経営の成否は、征服した異民族をいかに吸収するかにかかっている。奴隷や二級市民扱いでは長続きしない。言語、宗教を強制せず、法的平等を保証し、有能な人材を政権に参加させてこそ求心力も高くなる。その意味ではローマやモンゴルは比較的上手くやったということだろう。
ただ、この同化政策は、元々の帝国の質を否応なく変えていく。それは大モンゴル帝国が分裂し、それぞれの「分家」が地域の文化の色合いを強めて行くのを見ればわかりやすい。