ベルギー王立美術館展
ダメもとで行ってみると金曜日は時間延長ってことで入れました。
空いてたし、フランドル絵画を堪能できたよ。
もちろん見物はパパ・ブリューゲルの「イカロスの墜落」ですが、こういうのは美術の教科書などでもおなじみなので新鮮な驚きというのはない。さすが原画はいいですねえという間の抜けたことしか言えませんぜ。まあ、初めて見る人は「どこにイカロスがいるのよ?」という発見のヨロコビがあるはずなので、ネタはばらしません。そういう意味ではシャレみたいな作品ですね。イカロスを描き込むことによって、風景画に付加価値がつくというか、「なんで?」と考えるネタを提供してくれているわけで、美術研究家ならば、一冊書けるかもしれない。
息子ブリューゲル「農民の踊り」。これも定番です。基本的にモブシーンが好きなので舐めるように眺めました。当時のファッションでは当たり前だったコッドピース(股袋)も今見ると笑える。流行というのは面白いなあ。
ヤーコブ・ヨルダーンス「飲む王様」も有名どころでしょう。大変好きな絵です。今回は修復後ということで、飲み過ぎたオッサンがゲロ吐いてるところと子供のお尻が丸出しになっているところも拝見できます。飲酒の楽しさと酒飲みのダメっぷりが味わえる一枚です。
ルーベンス「聖ベネディクトゥスの奇跡」とドラクロアの模写が並べて展示してあったのも面白かった。模写なんだけどドラクロアはやっぱりドラクロア節なわけで、子供の頃ドラクロアにハマったオレとしては、ものすごくワクワクしました。
音楽好きとしては、テオドール・ファン・テュルデン「音楽ー夫婦の調和の寓意」、ヤーコプ・ファン・オースト(父)「奏楽の人々」もチェック。
あと、ヴァン・ダイクも貫禄充分だし、ガスパール・ド・クレイエル「天使に着付けてもらう若いマリア」の可憐さにも萌えました。
後半は19世紀以降の絵画が展示されており、こちらもそれなり。全体に画面が明るいです。フランソワ=ジョゼ・ナヴェス「砂漠のハガルとイシュマエル」がイイ。アンソールは30年ぶりくらいに再会。クノップフも素晴らしい。印象派はややマイナーな印象。デルヴォーとマグリットで〆というのもいい感じでした。