ひみつの犬神コココちゃん
- 作者: 掘骨砕三
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2006/11/15
- メディア: コミック
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ようやく昨日、アキバに出て買いました。エロ漫画としてというよりは漫画としてスゲェ。しかし、エロ漫画媒体でないと発表不能なわけで、ビバ! エロ漫画♪ ですよマッタク。
コココちゃんは100匹の虫(昆虫、蜘蛛、百足、蛙など)を瓶詰めして共食いさせ、最後に生き残った強い虫(蠱)を魔法に使う。いわゆる蠱術ですな。蠱を使うから「コ」、漢字に戻せば「蠱蠱蠱ちゃん」なのかも。この蠱によって彼女の周りの子供たちが、蜘蛛女や犬女や団子虫女や蛞蝓女に変身させられてしまい、しかも魔法が効いている間はエロエロになっちゃうという性魔術。虫化した子供達の造形が「萌え萌えに擬人化」ではなく、蛞蝓なら蛞蝓の、蜘蛛なら蜘蛛のおぞましい質感をそのまんま残して、なおかつ愛らしいというのが、いつもながら素晴らしい。子供たちは嬉々として怪物に変身し、愛し合い、楽しげにセックスし、孕み、子を産む。魔法は現実世界を撓ませ、化け物化した子供たちが、なんら問題なく日常生活を送る。
オレが気に入ってるのは、魔法が日常を自然に侵犯し、改変していく中で、テンパってしまった女教師が「ダンゴ虫+幼女」という奇体な姿に変身し、セックスの快楽に溺れながらも、教師を続けるエピソード。これが愛らしく切なくバカバカしくて泣けた。
魔法は身体だけではなく、心も改変する。
それが治癒なのか? 逃避や退行なのかはどうでもいい。
気持良い生がまずあるべきなのだ。
生きていて気持が良ければそれで良し。
最終話「話の話」は物語全体を締めくくる力作。
死んでしまった女の子と男の子と犬と蝿とお母さんの物語である。
物語は円還し、終わりが始まりへと巻き戻されていく。