三日月が円くなるまで

 最近の宇江佐真理は変だと思う。はっきりと面白くない。平凡なボンボン育ちの若侍が、しょーもない事件にしょーもない形で巻き込まれていくという物語。主人公に全く魅力がないのが致命的。等身大と言えなくもないが、娯楽小説なんですから、ダメならダメなりに、そのダメさが愛嬌になるように書いてくんないと読む気力が萎える。