再生医療のしくみ
エスカルコ゛・サイエンス 再生医療のしくみ (エスカルゴ・サイエンス)
- 作者: 八代嘉美,中内啓光
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2006/11/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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我々の研究室では、まだ免疫系が未発達なブタ胎仔にヒト造血幹細胞を導入して、人の血液を産出するブタの作成に成功しました。このブタの免疫組織は、血液細胞を提供したヒトを自己と認識するので、拒絶反応を抑えることができるのです。このブタにヒトの肝臓の一部を移植し、ブタの体内で十分な大きさまで再生したところで摘出し、ヒトに移植することを計画しています。
なんてことがさらりと書いてあったりするのだ。
八代さんがSF者ということもあって、「参考図書」にさりげなくダナ・ハラウェイやウィリアム・ギブソンが混ぜてあったり、章タイトルや小見出しにSFやアニメのネタを埋めてあったりするのがおかしい。「所有せざる臓器」「人体補完計画」「ブラッド・ミュージック」なんて項目が並ぶ目次は一見の価値あり。しかし「どこからなりとも組織に1つの幹細胞」は無理矢理すぎ*1。
*1:マーガレット・セントクレア『どこからなりとも月にひとつの卵 (1980年) (サンリオSF文庫)』