やっぱり心の旅だよ
- 作者: 福満しげゆき
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2007/01
- メディア: コミック
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「書評に使えるいいネタはねーのかよ」
とお願いしてご教示いただいた一冊でございます。
全然、者を尋ねる態度じゃないんだけど、論争モードがまだ抜けてないんだからしょーがねーや。
お教えいただいたんですが、使わなかった。
ネタは良かったんだけど、三冊選んで…というフォーマットなので、ある程度の統一感が欲しかったわけですよ。
次の機会に使うかもしれませんが、いいですよ福満。
キャラがいいよね。
可愛いんだよね。
雨に濡れた野良犬が下痢して泣きそうなってるような愛らしさがありますね。
思わず抱きしめたいとは思わないけど、迂闊にも自己投影して、心底情けない気分になるからね。
さて、本書は帯に「これが福満しげゆきの失敗エロ漫画道」とあるように、作者がエロ漫画誌に描いたエロ漫画を集めたもの。
失敗というほどのものではない。
ヘンなエロさがあるしね。
もうちょっとエロ漫画業界に余力があれば、なんとかなったかもしんないとは思う。
おかしいのは後半に収録された読者体験もの。
一生懸命企画ネタに挑んでんだけど、その努力がシュールなエロ感覚になっちまったてのがキモ。
多少自由にエロをやって面白い味出してるのが「お嬢様麗華」のシリーズ。オポンチなギャグ感覚がたまらんです。
福満の失敗は、恐らく、表現への色気を小出しにしながらエロ漫画っぽいことをやろうとしたのが原因だろうなと思う。
むしろ福満のいつもの調子で「エロシーン」強化ぐらいで行けば、食いつく読者もいたと思うのだが。まあ、それができる福満は、ファンが愛する福満じゃないんだよなあ。
インテリな人は「無意識のエロ漫画批評」としての「エロ漫画」という楽しみ方も可能だろうね。