小池&富野トーク

 27日の項目続き。
 メモ書きから(文責永山)。

小池一夫
「コンテンツ・ビジネスはキャラクター・ビジネス」
アメリカではウェット・キャラクターが創れない。例えばはエヴァみたいにトラウマを引きずっているようなキャラは出てきにくい。キャラクターには弱点が必要(ジークフリートの例)。キャラは最低三つ、デスノにおけるライト、エル、リュークのように、主人公、敵役、引き回し役が必要」
「どんなキャラを作ろうか? で始まる。ドラマ、ストーリーを作っていない。小島剛夕と編集と三人で時代劇のキャラクターを作った。子連れの浪人はどうか? 男手ひとつで、育てなきゃならない。それが旅をしている。どうやって子供を連れ歩くのか? おんぶか? だっこか? 乳母車はあったのか? ないのなら作ってしまえ。ただの乳母車じゃもったいないので、武器が飛び出す仕掛けを作ろう。その二人を襲う奴が出てくる。何故遅うのか? 何故母親が亡くなったのか?」
「今は簡単にキャラを作りすぎる。その結果使い捨てになる。それがキャラクター・クリエイターに悪い影響を与える。キャラ作りは戦略的なもの」

 300人近い弟子(劇画村塾を中心に)を育ててきた小池一夫だけに、特に人材育成に関するトークが熱い。
 今でも大阪芸術大学で後進の指導に当たっているわけだが、こうした活動に対して編集者の温度は低い。
 せっかく才能発掘の場をもうけても、来る編集者は極めて少ない。

富野由悠季
「不幸だなと思うのはみんなCGを使うこと。同じソフトを使って独自なものなんて生まれるのか?」
「技術、言葉に振り回されないこと」
「お前程度の独自性なんかないんだよ。持ち上げられていないで、コツコツやるしかない。体力勝負。11〜12歳までに好きだったものにこだわれ。それが今やってることとフィットしているかどうか考えろ」
「クサくなければ客はつかない」

 富野節全開。
 他にも身も蓋もない発言があって、「あ、それは真理だけど、ここで言うか!」みたいな痛快さがありました。
「若さ故のあやまち…」
 というサービス発言には約1/3の観客が爆笑。