聴いたCD

  • ウィーン少年合唱団アレルヤ,春の声」
    • 原題「EXSULTATE, JUBILATE」。全9曲中8曲でマックス・エマヌエル・チェンチッチのソロが聴けます。ほとんどソロアルバムという合唱団ものとしては異例の一枚。確かにこれはもうブッ千切りに凄い! ヘンデル「輝けるセラフィムたちを」から、うわあああああって感じです。岡本知高でおなじみになったヘンデル「わが泣くがままに」も、岡本知高が女性的な柔らかさとすればこちらは中性的な透明感でまるで別の曲のようです。つづいて、いよいよ原盤のタイトルでもあるモーツァルト「踊れ,喜べ,幸いな魂よ」に突入しました。これが聴きたくて買ったわけですが、全く危なげない! 逆に言えばテリー・ウェイのように「声、裏返っちゃうんじゃないかハラハラ」というスリリングな感じがないのが淋しいワケです。邪道かもしれませんが、ぼくの楽しみ方には、そういう声帯や技巧の限界ギリギリ感も含まれています。とはいえ、チェンチッチとテリー・ウェイのどちらがいいかと問われれば、とうてい選ぶことはできません。まあ誰も選べとは言わないでしょうが。さて、続いてモーツァルト「アヴェ・ヴェルコム・コルプス」「主日のためのヴェスペレ」「み母の庇護の下へ」、シューベルト「岩の上の羊飼い」、ヘルベック「子らよともに歌え」と来て、最後はウィーン少年合唱団らしくヨハン・シュトラウス二世「春の声」です。いずれも陶酔できますが、特に最後はウィーン気分満喫(行ったこともないのに)で、すっかり酔っぱらってしまいました。
  • アンナー・ビルスナ「バッハ:無伴奏チェロ組曲
    • 輸入盤二枚組の全曲版です。ガット弦のバロック・チェロを使った旧版ということで、こないだ「79年録音盤も聴きたいんですが、なかなか例によって、先立つものが…」と書いたばかりなのに、ヤフオクで見つけて発作的に落札してしまいました。ちょっと安かった(2100円で落札)というのが運の尽き。国内版とは全く違うジャケですが音源は同じ。しかし、こないだストラディバリウス版を聴いた直後にこれを聴いて、違いが判らなかったらとんだトンマです。オニのように聴き比べているヘビー・リスナーならいざしらず、昨日今日この曲の良さに気付いた自分に判るんだろうか? まあ、結論から言っちゃいますが、素人のぼくでもはっきり判るくらい別物でした! 音も違う。最初の一音から違う。全然違う。モダン楽器とは違う、濁りのある音です。それが不快ではなく、ぬくもりのある音といえばいいのか、う、う〜ん、こんなに違うものなんだ。テンポもずいぶん違うような気がするし、面白いなあ。(図版は国内版)