悲しきババール

 ぼーっと「象のババール」のアニメを見る。キャラクターは知っていましたが、お話は知らなかった。う〜む。ネイティブ・アフリカンがヨーロッパのマダムに可愛がられて、文明化されるというオハナシだったのね。しかも帰国後、マダムの援助のもとに自分の国をヨーロピアナイズしちゃうんだから、立派な植民地化と文化侵略の物語。身も蓋もない話ですが、別に糾弾しようとか、そういうつもりはなくて、そういう読みが成り立つという話。要はフランス中華思想ということです。善意による文明化という悲劇として読みました。もちろん、服を着せ、教育を与え、社会化するという意味で、子育てを象に仮託して描いているわけで、そこが世界中で長く愛されている所以なのですが、この素朴な教育観そのものが郷愁でしかないというのもまた悲劇的です。ババールは可愛いんですけどね。