聴いたCD/読んだ本

  • ダン・ブラウン「天使と悪魔」(全二巻・角川書店
    • 法皇死去にともなって行われるコンクラーベの最中、イルミナティが甦り、法皇候補である四人の枢機卿を次々と惨殺していく。しかもバチカンの中枢には反物質が仕掛けられ、対消滅の時が刻々と迫る。…というノンストップ・ミステリー。宗教と科学の対立史を軸に、秘密結社とバチカンにまつわる雑学を散りばめ、空想科学までトッピングというケレン味に満ちた長編なので、それなりに楽しめます。それなりにと条件をつけたのは、ご都合主義と、「それはないだろ」というくだりが幾つかあるためです。例えば作中で重要な象徴となるアンビグラムの一件。「現代の象徴学者は“イルミナティ”という単語を完全な対称図形に作りあげようと試みてきたが、みな無惨に失敗した」と書きつつ、アッサリと図版で出してしまったりするわけです。見せなきゃいいのに。上手くデザインできたのが嬉しかったのかなあ。もうちょい『薔薇の名前』風なものを期待したのですが、それほどでもなかったというのが正直な感想。
  • サラ・ブライトマン「ザ・ツリーズ・ゼイ・グロウ・ソー・ハイ」