聴いたCD

  • グレン・グールド「J.S. Bach: Goldberg Variations; Preludes & Fugues」
    • アメリカから到着。1954年のCBCラジオ放送版です。ヘッドフォンで聴くと録音状態の悪さがモロです。ノイズ入ります。けど81年録音盤と比べると55年録音盤以上に元気です。ライブとスタジオの差というもあるでしょうし、こちらのかくあって欲しいという欲望も多分に加味されてはいるでしょうが、勢いが違う。とはいえ、ぼくにとってのベストは81年盤です。もちろん81年盤を81年盤として、つまり白鳥の歌として聴いている主観、幻想、感傷、思い込みを自覚した上で、やはり決定盤はこれだと感じるのです。ぼくは81年盤の第30番変奏が好きで好きで、誰もいなかったら溺れて泣きます。54年盤ではそこまではいきません。
  • フリードリヒ・グルダ「バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第一巻」
  • フリードリヒ・グルダ「バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第二巻」
    • 古楽好きとしてはちょっと口惜しいけど、「平均律はピアノの方が気持ちいい」というのが正直な感想。昔は「あくまでもチェンバロでしょ」だったのに、まーなんという変節でしょうか。キース・ジャレット平均律の第一巻(ハープシコード)がどうも今一つピンと来なかったというか、少なくともぼくの好みではなかったというのもありますね。ランドフスカの平均律も聴いてみようかという気はありますが、録音自体にハンデがあるので、比べるのは酷かもという気がします。グールド、リヒテル、そしてこのグルダといずれも素晴らしい演奏です。比較論が書けるほど音楽批評の語彙を持ち合わせていないので、月並みですが、前から奔放、立派、端正という印象です。自分でも「立派」ってなんなんだという気はしますけどね。
  • ペンギンカフェ・オーケストラ「ユニオン・カフェ」
    • より普通っぽいという語弊がありますが、初期の盤に比べるとイージーリスニング寄りのクラシックというイメージです。聴き惚れるもよし、上質なBGMとして流し続けるもよし、ヒーリング・ミュージックの先駆として魂の振幅を鎮めるもよし。日本での再評価&再発を希望します。