読んだ本

  • 粂和彦「時間の分子生物学講談社現代新書
    • サブタイトルは「時計と睡眠の遺伝子」。サーカディアン・リズム25時間周期説の否定、生物時計のメカニズム、睡眠研究など、最近の知見が研究者によって平易に解説されています。ぼくのように常に睡眠負債をかかえて、ヘタをすると半日ボーッとしてたりする人間にとっては、これからの睡眠生活を改善する上での指標ともなりそうです。
  • 富樫倫太郎「雄呂血」カッパノベルス
    • 平安末期、保元の乱とその前夜を描く長編伝奇小説。虐げられた一族が作り出した超人・雄呂血を軸に、百済三魔人、信西入道、鳥羽法皇崇徳上皇源義朝源為朝平清盛藤原頼長等々が血で血を洗う謀略と抗争を繰り広げる。700ページ超の大作だけど伝奇ロマンはこれくらいの厚さがなきゃね。とはいえ冗長な部分もあり、そのあたりは富樫さんも作家として未完成かも? 解き明かされない謎も多く、壮大な大河伝奇の一部という位置づけなのだろう。