読んだ本:永井豪『ススムちゃん大ショック』のような…

  • サイモン・クラーク「地獄の世紀」(上・下)扶桑社文庫
    • ゾンビ系ホラーとしてゾクゾク楽しめます。ある日突然、世界中の大人たちが世界中の子供たちに襲いかかり、惨殺し始めるという、まるで永井豪の「ススムちゃん大ショック」のアイディアをいただいちゃったかのようなオハナシです。ネットでも複数の方が指摘しているように、その後が、子供たちが生き残るために、狂った大人たちや時には同じ境遇の子供たちと闘いを繰り広げるという「バイオレンス・ジャック」系へとシフトします。で、最後は英雄伝説へ…。余計なことを考えず、「ひえ〜〜〜、コワイよ〜〜〜」と恐れおののき、惨殺シーンに暗いカタルシスを味わえば、アッという間に上下二巻を読み終えているでしょう。実際に永井豪からアイディアを得たのかどうかは別として、ヴェルヌの『十五少年漂流記』、その暗いパロディであるゴールディング蝿の王』、楳図かずお漂流教室』あたりにゾクゾクきちゃう人も楽しめるでしょう。