pecorin9112004-09-10

  • 山下和仁「プレイズ・バッハ」
    • 「ヴァイオリンのための無伴奏パルティータ第2番」「無伴奏チェロ組曲第6番」の二曲。80年、19歳の時の録音です。ギターによる全曲録音(パルティータ○番の全曲、組曲○番の全曲)は世界初だったそうです。後に両方ともそれぞれの全曲集版が出ましたが、気軽に抜粋盤感覚で聴くにはこちら。前にも書きましたが、山下和仁の編曲版を聴くと、ずいぶんスペインっぽいなあと感じます。これが編曲のためなのか、ギター=スペインという思い込みのせいなのかは謎。残念ながら廃盤のようです。
  • ピエール・フルニエ「J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1、第5、第3番」
    • 誕生日には「浴びるようにビルスマを聴く」予定だったんですが、発売が一週間延びてしまいました。そこで代打として図書館からフルニエにご登場いただきました。フルニエの録音は色々あるみたいですが、これは65歳、72年の東京ライヴです。二回に分けた全曲演奏会で、二夜目がこの盤ですね。ラストにはフルニエの解説というオマケもあります。ライナーには一部しか入っていないので、聴くべきでしょう。放送時の日本語吹き替えなので、わかりやすいですよ。ライヴならではのミスもあるそうですが、ライヴならではの熱の方がそれを上回っています。2001年発売なのになぜかアマゾンでは扱っていません。
  • マイケル・ナイマン「ソングブック」
    • ウテ・レンパーという強烈な個性を迎えて、パウル・ツェランシェイクスピアランボーの詩、モーツァルトの書簡に曲をつけた聴き応えのある一枚。とにかくレンバーの歌唱に圧倒されるわけですが、歌唱の間にナイマン・バンドの弦楽が前に出てくるとやはりナイマン節というわけです。ぼくがいうナイマン節とは、能動的で、聴いてる側が必然的に昂揚せざるを得ない「攻め」と、静かな曲調との対比といいますか、そういうメリハリの効いた、あるいは効きすぎた感覚です。曲の再編というか使い廻しもけっこうあるし、パターンといえばパターンなんですが、これが好きになるとけっこう麻薬的。別の盤を効いてもさほど意外性はありません。でも確実にこういうノリ、快感は保証されているという安心感があります。総ての盤を聴いてもいないのに、決めつけてしまうのはマズイのですが、今のところはそういう印象です。だから坂本龍一のナイマン批判も実によくわかります。