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- 山下和仁「プレイズ・バッハ」
- ピエール・フルニエ「J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1、第5、第3番」
- 誕生日には「浴びるようにビルスマを聴く」予定だったんですが、発売が一週間延びてしまいました。そこで代打として図書館からフルニエにご登場いただきました。フルニエの録音は色々あるみたいですが、これは65歳、72年の東京ライヴです。二回に分けた全曲演奏会で、二夜目がこの盤ですね。ラストにはフルニエの解説というオマケもあります。ライナーには一部しか入っていないので、聴くべきでしょう。放送時の日本語吹き替えなので、わかりやすいですよ。ライヴならではのミスもあるそうですが、ライヴならではの熱の方がそれを上回っています。2001年発売なのになぜかアマゾンでは扱っていません。
- マイケル・ナイマン「ソングブック」
- ウテ・レンパーという強烈な個性を迎えて、パウル・ツェラン、シェイクスピア、ランボーの詩、モーツァルトの書簡に曲をつけた聴き応えのある一枚。とにかくレンバーの歌唱に圧倒されるわけですが、歌唱の間にナイマン・バンドの弦楽が前に出てくるとやはりナイマン節というわけです。ぼくがいうナイマン節とは、能動的で、聴いてる側が必然的に昂揚せざるを得ない「攻め」と、静かな曲調との対比といいますか、そういうメリハリの効いた、あるいは効きすぎた感覚です。曲の再編というか使い廻しもけっこうあるし、パターンといえばパターンなんですが、これが好きになるとけっこう麻薬的。別の盤を効いてもさほど意外性はありません。でも確実にこういうノリ、快感は保証されているという安心感があります。総ての盤を聴いてもいないのに、決めつけてしまうのはマズイのですが、今のところはそういう印象です。だから坂本龍一のナイマン批判も実によくわかります。