軽くつっこむつもりが…
- 作者: 多田克己
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/11
- メディア: 新書
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- 妖怪博士・多田克己が鳥山石燕の妖怪図譜「百鬼夜行」をベースに、該博な知識と語呂合わせによって妖怪の正体に迫るという楽しい一冊。京極夏彦オリジナルの妖怪画42点収録というのも美味しいです。ただ、一部「????」というところもあり、ツッコミ心を刺激してくれます。例えば「大禿(おおかぶろ)」の解説で、男色に関連した指摘が幾つか出てくるのですが、いささか疑問に感じる点がありました。例えば「吉原の蔭間茶屋」というくだりです。ここはむしろ「芳町の蔭間茶屋」でしょう。他にも「仏家の隠語で男色を『衆道』『醜道』『寺小姓』『喝食』『かわつるみ』『文殊菩薩』『那智』などという」などの乱暴な記述もあり、細かく突っ込もうかと下書きしてみたんですが、これが思いの外、長文になり、ツッコミから外れて「男色雑学エッセイ」みたいになっちゃったので、割愛します。ちなみに男色関連の資料としては、稲垣足穂の『少年愛の美学』、岩田準一『本朝男色考』『男色文献書誌』が基本でしょう。ちなみに鳥羽の民俗学者・岩田準一は江戸川乱歩、南方熊楠、竹久夢二との交遊が有名で熊楠との男色研究にかかわる往復書簡集も重要な文献です。(一部変なコピペになってたんで修正しました)
- 作者: 岩田準一
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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- ぼくが持っているのは大昔に入手した私家版です(自慢)。ぼくは70年代に稲垣足穂にハマり、足穂の著作に出てくる文献を暇さえあれば渉猟していました。今は簡単に手に入るようになって良かったです(やっぱり高価ですが)。
- 作者: 長谷川興蔵,月川和雄
- 出版社/メーカー: 八坂書房
- 発売日: 1991/09
- メディア: 単行本
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- 図書館派なので持ってません。筑摩の熊楠全集が底本でしょうか?
- 作者: 岩田準子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/05
- メディア: 単行本
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- 岩田準一のお孫さんである岩田準子さん書き下ろしの、乱歩と準一の交情を描いた長編小説。かなり踏み込んだ内容なので腐女子のみなさんも要チェックです。岩田準子さんとは、ある雑誌の乱歩特集でお話をうかがう機会がありました。もはや旧聞に属すかもしれませんが近年、岩田準一記念館がオープンしたそうです(http://www.hotel-wako.co.jp/toba/iwata.htm)。乱歩、夢二関連の展示もあり、一度は行ってみたいですね。
- 作者: 稲垣足穂
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1999/01
- メディア: 文庫
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- 厳密にはエッセイであり、資料/史料とは言いにくいかもしれませんが、手軽に入手可能で、なおかつ足穂文学の香気に触れることができる必携必読の一冊です。
堂本正樹『男色演劇史』(薔薇十字社)
- 日本の男色史を語る上で外せないのが、演芸と男色との関連です。特に能楽とは切っても切れない関係です。それを知る上では最適の一冊なのですが、残念なことに絶版。版元の薔薇十字社に関してはhttp://www3.tky.3web.ne.jp/~taqueshi/menu.htmlが詳しい(http://www3.tky.3web.ne.jp/~taqueshi/rosencross.html)。