文京グリーンコート→巣鴨→染井墓地というコースで歩く。
 薄暮の墓地はほとんど人影もなく静謐。
 古い墓所なので有名人も大勢眠っている。
 墓石も旧華族や大名家の豪勢なものから、庶民のささやかなものまで様々。
 中には小さな蔵のような納骨堂までついている墓もある。
 結局は遺された者の想い出と虚栄の入り混じったモニュメントなんだな。

 散歩していて、ふと気付いたら霊園の中を歩いていて、出口が見つからなくなってしまうという怪談はどうか?
 オチは真新しい自分の墓石に出会い、ああ、オレは死んでいたんだと思い出す。
 二段オチの場合は、思い出したとたんにふっと気が遠くなって、気が付くと散歩の途中。
 念を入れる場合は、「目の前に霊園の入り口が…」という一行でダメ押しする。

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