キース・ジャレット
20日は興奮さめやらぬまま3時まで起きてた。
21日は睡眠時間3時間のまま牛歩の如く単行本を書く。日記どころではない。
で、ようやく感想を書けます。
といっても語り尽くせないんだよなあ。
20日の夜を反芻して、感じたのは「音楽」を聴いたなあということ。
クラシック、ジャズ、現代音楽の遺伝子が全身から迸る感じ。
大きな流れで思い返すと、現代音楽的な無機質で美しい音から始まって、時にメロディアスに、時に激しく、時に耳に優しく、気が付くとクラシック音楽のような流れになり、最後は完全に暖まってジャズ。
音楽としての面白さでは第一部、二部の最初の方。
ノリというか体感ではいずれも後半。
悲しい性で、どうしてもケルンを基準に考え、ケルンの再来を期待してしまう。
第二部のラストなどは、このまま突っ込んで突っ込んでケルンをもう一度などと埒もないことを考えてたりする。
だから、ケルンはケルン、パリはパリ、東京は東京と言い聞かせる。
唯一無二の東京の10月20日。
さすがに最初は緊張感がすごかったが、熱気が上がり、緊張感がとぎれないまま、一体感が出てくる。
キースも(こちらの勝手な思い入れだが)14日の件では内心複雑なんだと思う。
第二部だったか、演奏に入ろうと椅子に腰を落としかけた瞬間、咳の音がした。
キースは「おっとっと」てな感じで中腰のまま椅子の周りをとことこ一周して客席を沸かせる。
客席に向かって座り、腕時計を指し。
「今のうちだよ、咳は」
という風にニヤッと笑う。「こないだは神経質すぎたかな」と思っているのかしれない。ぼくにはちょいと自嘲の入ったジョークに思えました。
これで客席の気分もさらに盛り上がり、「すげーっ」というラストへと雪崩れ込んでいきました。
アンコールは3回。
最後は客席の8割がスタンデング・オベーション。
拍手が終わらず、アンコール後も二回出てくるという爆裂状態。
気が付けば9時20分。
こんなに入れ込んじゃって21日の追加公演は大丈夫なのか?
思わず心配しちゃったじゃねーかよ。
このコンサートの予約を取った時、
「ああ、これで10月までがんばれる」
と思いました。
次は5年後かな?
がんばって生きよう。
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