萌えの研究

萌えの研究

 献本頂きました。「萌え」について書いているところに、これか! いや、ホントありがとうございます>大泉実成さん。で、「非オタクが覗いた史上最強のオタク解説書」と帯にありますが、大泉実成さんが非オタクとは誰も思ってないと思うがどうか? 実際、本書の中でも未だに綾波萌えが継続中と書いてあるぞ。さて、実はまだ半分くらいしか読んでないんですが、ノンフィクション作家というのは凄まじいな。ラノベから始めて、TRGP、ギャルゲー、マンガ、アニメと絨毯爆撃的に体感して行く。この深入りの仕方が半端じゃない。「アニメ最萌えトーナメント」について分裂した著者と著者(著者自身のキャラクター化というメタ進行)が語らいまくる最終コーナーなどは綾波ポエムの再来かというくらい壊れかけてます。取材、終わったあと抜けられるのかな。自分監禁して憑き物落としとかドラッグ抜きとかそういう過激な治療しないとダメなんじゃないかな。ぼくの目から見てもかなりイッちゃってると思いますよ。
 ネタがネタだけにぼくが今、書き下ろし中の評論とも重なる部分が多い。たとえばマンガ編の中で、大泉さんもやはり作品中の男性キャラについて考える。ぼくは男性読者の自己同一化の第一ターゲットとして「ちんこのある人」がいた方が入りやすいと考えています。女装っ子でもショタっ子でもシーメールでもいいんだけど「ちんこ」←これ重要。エロ漫画でレズものがイマイチ低調なのは「ちんこ」がないので男性読者は身の置き場がなくなっちゃうからなのだな。「ちんこ」にアイデンティファイするオレラって一体…と思うんだけど、要はたかが「ちんこ」なんですよ。「ちんこ」は男の「憑代」*1なのだ。まあ、そのへんの話は本にしっかり書いておくので、この場は適当にスルーしてください。

*1:よりしろ―神霊が現れるときに宿ると考えられているもの。樹木・岩石・御幣(ごへい)・動物など種類が多く、神霊に代わってまつられる。―大辞林