マイアミ・バイス補足
登場する銃器に関してはid:hoghugさんの日記に詳しい。
http://d.hatena.ne.jp/hoghug/20060808
今後も補完されるとのことで楽しみ。
昨日ちょっと書き足らなかったので補足しときます。
序盤の素晴らしさは特筆もの。
情報屋の自殺シーンまでの展開には酩酊感を覚えた。
ほとんど麻薬的なテンポでたたみかけてくる。
hoghugさんが指摘されている「陰鬱」さが、蠱惑的ですらある。
エルロイに耽溺する自分としてはたまらないですよ。
あと、脳がしびれたのは景色。
いくつものの積乱雲を背景に小型機が飛ぶところ。
中米の超危険そうな滑走路から離陸するところ。
水平線上の暗雲から雨が幕のように降っているところ。
かなりの頻度で見える遠雷の稲妻。
マナウスの滝の空撮。
空と海と雲と緑と都市の夜景。
このパノラマ感は劇場でないと味わえない。
銃撃戦は言うまでもなく、リアルで痛そうで、カッコイイ。
ただ、映画全体としては評価に迷いが出る。
説明が足らんとかそういうことではない。
現実の犯罪捜査はこうではないだろうということでもない。
コン・リーの役柄と演技が気になるのだ。
ミステリアスと言えばミステリアスなのだが、もひとつ深みがないような…。
野心的だけど、ホモソシアルな男社会というものを読み切れない脇の甘い女。
実際それは現実社会でもいそうなタイプだが、それだけに類型的だとも思う。
コン・リーがあっさりとコリン・ファレルになびいてしまう理由がわからん。
コリン・ファレルがコン・リーにここまでハマる理由がわからん。
性欲はわかるんだけどさ。