環境戦争

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

氷と炎の歌」(「七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)」「七王国の玉座〈2〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)」「七王国の玉座〈3〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)」「王狼たちの戦旗 (上) (氷と炎の歌 2)」「王狼たちの戦旗 (下) (氷と炎の歌 2)」)の続きを早く読みたい! とはいえコチラもなかなかの秀作。環境エンジニアリング兵団の生物戦争用胚種船・方舟号を手に入れた宇宙商人が、ひとつコレを活用して惑星規模の環境エンジニアリングを商売にしようじゃないかと思い立つわけですな。次々登場する奇怪にして凶悪なクリーチャーをはじめ、懐かしのSF的センス・オブ・ワンダーがこれでもかと詰め込まれております。とはいえ、イマドキの作品なので脳天気だけじゃいられない。そもそも生態系を改変するのが大きなネタですから、環境問題にセンシティブな現代としては最初から矛盾を孕んでいるわけです。そこにさらに人間の度し難さというこれまた大きな、そして古典的な命題がかぶさってきます。その意味で「理屈抜きの楽しさ」は保証できませんが、「理屈まで含んだ楽しさ」ならば保証できます。