ロシアン・マフィア

さよならを告げた夜 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

さよならを告げた夜 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

 何やってたかわかんない探偵が「自殺」し、妻子が姿を消す。本当に自殺なのか? 妻子はどこにいるのか? この謎を追って、元警官の探偵コンビが走り始める…という長編ハードボイルド。中軽量級の秀作といえばいいのかな? 探偵コンビとその周辺人物のキャラ立ちもいいし、テンポもいい。過不足なくまとまって、きっちり読ませてくれる。もっとノワールなものが読みたい人には物足らないだろうが、程の良さを求めるムキにはオススメ。新しい作品とはいえ、イマドキなのはロシアン・マフィアと携帯電話くらいなので、構造もセンチメントも伝統的なハードボイルドなのだ。