水声通信14号

 『水声通信・14号』(水声社)が出ました。永山は「特集:戦後マンガ史論をどう書くか」に参加、「神もなく境界もなく〜漫画史論の不可能性と可能性〜」を執筆。拙文の是非は読者諸賢のご判断に委ねるとして、特集全体は面白い。例えば吉村和真さんの「『戦後』『マンガ』『歴史』を接着するために」は、オレが拙文で述べていることをもっと整理してあって、なんだかギャフンである。また長谷邦夫さんが「戦後ギャグ・ナンセンス・マンガ史を書くことができるか」ではエロティック・ユーモアについて触れ、永山に「『艶笑装置』としてのエロマンガ論も書いてもらわねばならない」と「丸投げ」されておられるのにはマイッタ。拙著で触れきれなかったのがこの「エロと笑い」なのである。エロ漫画誌からはギャグ漫画の異才、鬼才が生まれているし、艶笑系やコミカル・エロの描き手も多い。書くべきことが多すぎるので、書けなかったんですね。しかし、また頭の痛い宿題を出してくれたなあ…。
 同誌の書影と他の内容については長谷さんの日記を参照(と丸投げしちゃおう)。