聖フランシスコも聴いた町の音
In Festa
- Ensemble MICROLOGUS
イタリアの古楽グループ、アンサンブル・ミクロログスのCDブック。ブックレットは三ヶ国語表記。英語があるのでなんとなく内容がわかる。ジャケを見ると「アッシジの祝祭」みたいなサブタイトル(イタリア語なのでよくわからんが)と書いてある。アッシジといえば聖フランシスコのアッシジですね。
昔、ゼフィレッリの映画『ブラザー・サン シスター・ムーン』を観て、感動したことを憶えている。細かいことは忘れたが、たしか十字軍遠征でぼろぼろになって帰還したフランシスコが、信仰を得て聖者となっていくというふうなストーリーだ。72年の映画なので、
「ヴェトナム帰還兵がヒッピーになって、ラブ&ピースに目覚める」
という解釈もありだろう。その意味では極めて政治的な、ハリウッド・リベラルな映画だったとも言えるわけだが、それを踏まえても美しい映画であり、聖フランシスコの、自然とその現象を兄弟姉妹と捉え、「死」すら姉妹として迎え入れる思想は、どこか東洋の禅やタオとも通じる。
おっと音楽から脱線してしまった。
CDは当時アッシジで聴かれたであろう音楽を、「春」「恋」「夜」「祭」と構成したものでいかにも木の芽時の祝祭感に溢れている。中でも一つの曲の中で同時に違うメロディ(と歌)が交錯す様は、町の祭の華やかな喧噪を再現していて楽しい。
- ↓ミクロログスの公式サイト
- 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
- 発売日: 2006/11/02
- メディア: DVD
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