日本マンガ学会

 http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai/katudou/taikai/2009taikai/index.html
 土曜日はお腹の調子が悪かったとの夕方から別件の約束があったので欠席。
 日曜日は午後の第二部から出席。
 今回のテーマ「大学でマンガ!?」は拙著『マンガ論争勃発2』で採り上げたマンガと学の問題とかぶっているので興味深い。大学で学部・学科としてマンガを教育し、研究するようになって約10年。まだ10年という見方もあるが、もう10年もという見方もある。今回のテーマ設定は、社会に対してなんらかの中間報告が必要とされる時期にきたという学会の意識を伺わせて興味深いし、拙著とのシンクロニシティすら感じる。
 もちろん、マンガ学なり学会なりの現状に対し、言いたいことはあるし、そのいくばくかは拙著でも採り上げた。拙著の取材と大会を通じて感じたのは、批判は簡単だけれども、建設的な提言を含まない批判はあまり意味がないな、ということだ。
 今回は半分しか参加できなかったが、充分に面白かった。マンガに関する研究も教育も着実に進化している。ただ、これは登壇者の伊藤剛が指摘していたことでもあるのだが、それが知として共有されるまでには至っていない。例えば伊藤が培った教育メソッドについて知る人は彼が直接教えた数百人に限定される。年一回の学会じゃ足らないとか、部会を一杯作ればとかそういう話ではない。ただ、横断的に知見を共有し、議論しうる枠組みは必要だろう。まあ、具体的にどうしたらいいのかということは、すぐに答えが出せるわけじゃないので保留としておく。
 で、今回のシンポジウムで面白さ抜群だった竹熊さんのレジュメが公開中。
 http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-5521.html
 ま、着眼点というか竹熊さんならではの視点が面白いし、これがどう展開していくのかも興味深い。
 それはそれとして、「他人のパソコンでプレゼンすることになった竹熊が『どうなってるんだこのパソコンは!』とキレる」パフォーマンスがやたらウケてた。