貧乏鍋

 ぼんやりテレビを見てたら、おすぎが白菜と豚肉の鍋を作っていました。白菜敷いて、豚肉敷いて、白菜敷いて…と段々にして行く。ウチでもよく作る貧乏鍋に似てるなあと思ったら、「なんていう鍋なんですか?」「貧乏鍋っていうのよ。金沢で教わったから金沢の貧乏鍋」。そうか貧乏鍋というのはごく普通の名前だったのか。ぼくがこの鍋の作り方を知ったのは、いしいひさいちがメジャーになる前に描いていた「Oh! バイトくん」。貧乏学生料理として登場してたんだよね。基本レシピは白菜と豚肉のスライスを段々に重ねて、醤油をかけて、蓋をして蒸し煮状態にする。水を入れるとしてもごくわずか。水を足さなくても白菜から大量の水分が出るから最初はとろ火で煮れば焦げ付かない。最後に醤油で味を調えて出来上がり。シンプルだけど、冬場は白菜の甘みが生きて実に美味です。ぼくは、すき焼き風に溶き卵でからめて食べます。最後はうどんを入れるかおじやにする。結婚してからはちょいグレードアップして、白菜と豚肉に大根のスライス、舞茸などが加わり、水ではなく少量の日本酒というレシピになりました。おすぎのレシピでは白菜+豚肉の基本に大根と出汁昆布と鮭缶を加えています。ちょっと鮭は過剰だと感じますが、人それぞれでしょう。簡単、バリエーションが作りやすい、経済的というのがこの鍋のいいところです。