方向音痴

 知人の出版記念パーティに出るため西麻布へ。ちょっと緊張します。昨年は半ば引きこもり状態で、人と会う機会が一昨年とは激減していたのでした。最近でも二三回、別の知人の出版記念トークショーなどをパスしています。病というほどではないのですが、なにもかもが上手くいかない感じがあって、すぐにヘコむ。スネる。嫉妬する。そういう自分がイヤになる。という感じかな? 全然大したことじゃないんですけどね。外に出て、人に会うということに緊張する。これを読んでる人の中にもきっといるでしょう。あなただけではありませんよ。ひょっとしたらみんなもそうなのかもしれません。だからどうだという気もしますが、まあ、そういうもんです。
 さて、ぼくは、自分が方向音痴であることに気付いているので、出かける前にはしっかり準備をします。ネットで地図を検索し、二種類プリントアウトしました。
 CDプレイヤーをポケットに突っ込んで、電車の中で読むための文庫本を別のポケットに。バンダナとティッシュも忘れません。
 ビルスマを聴きながら座席に座っていると睡魔に襲われ、気持ちが悪いのかいいのかわからない夢が断片的に続きます。
 夢見が悪かったのかJRを降りてふと気付くと、地図を挟んであった文庫本がありません! どひゃ〜〜〜。たどり着けるのか俺? 案の定地下鉄降りて、何故か六本木ヒルズに入ってしまい、五分ほど迷子に…。泣きそうになりながら会場の近くまで辿り着くと「いかにもパーティ客」らしいお姉さんが前を歩いているではありませんか。この人の後についていけば…とストーキング。しかし、ズンズン進んでお寺の中へ。ひいいいっ。振り出しまでもどって、また道を間違えて、ようやく会場についたときには、鬱が出そうになってました。たはは。カンタンにヘコむもんなあ。
 最初は、主賓カップル以外は知り合いが一人もいなくて呆然としてましたが、最終的には三人発見し、ようやく胸を撫で下ろしました。あとは、主賓にご挨拶したり、名刺交換したり、雑談したり、お酒飲んだりしました。下戸なのでビール一杯でいい気持ちです。いい気持ちのまま知り合いの一人と雑談している最中に、「実はぼくもはてな日記やってます」と白状してしまいました。いずれは知人友人の皆さんにも告知する予定なんですが、匿名で仕事と関係のないことを、推敲なしで書く快楽というのも捨てがたい。読んで欲しいけど、読んで欲しくない。こっちの日記は全く油断している裏庭ですからね。