読んでいる本

  • ジェフリー・ペイザント「グレン・グールド なぜコンサートを開かないか」(音楽之友社
    • 公刊されていたグールドの文章、資料をベースに書き上げた「伝記」。とにかく引用が多いので、グールド著作集の解説書というか、アンチョコにも使えそうな勢いです。この手法は、グールドの主張をよく知るためには最適かもしれません。実際、アンドルー・カズディンは「グレン・グールド アットワーク」(音楽之友社)の中で、グールド自身はこの本が大のお気に入りだったと証言しています。まあ、自分の主張を代弁し、補強してくれているわけですから当然でしょうが。グールド本の中では早い時期に属するものですが、バランスを考えるなら、最初にフリードリックの「グレン・グールドの生涯」(青土社)と、ピーター・F・オストウォルド「グレン・グールド伝〜天才の悲劇とエクスタシー」(筑摩書房)の二冊を読んで、本書とカズディン本を読むという順序がオススメです。ちなみに本訳書が出たのは81年。グールド最晩年です。訳者あとがきの最後にはゴルトベルク再録音の話題が出てきます。