色々考える

 仕事はかどらず。合間合間に昨日に引き続きジェフリー・ペイザントを読む。評論された本人がお気に入りの評論ってダメダメじゃんと思いつつ読む。そのうち面白い箇所が幾つか出てきてほくほく。特に演奏者とピアノとの一体化のくだりはなるほどでありました。実は「身体の延長としての道具」あるいは「身体と道具を合わせて一つの拡張された身体」という考え方は、ぼくが大昔書いた本で唱えた身体論とほぼ同じで、グールドがよく引き合いに出すムカデのたとえとも通じます。解りやすく例をあげれば、自動車を運転している人にとっては自動車が身体化(逆にいえば身体の能力とサイズが自動車化)されるということ。さもなければ縦列駐車はおろか、普通に道を走行することすらおぼつかない。これが楽器についても言えることなのかどうか、演奏者ではないぼくにはわからないのだが、ジェフリー・ペイザントとグレン・グールドにとっては自明のようです。このへんは演奏者に聞いてみたいなあ。