読んだ本

  • 中村紘子「コンクールでお会いしましょう」中央公論新社
    • NHK人間講座「国際コンクールの光と影」(日本放送出版協会)の加筆改訂版。放送も面白かったですが、この本もメチャ面白い! コンクールの歴史、功罪、その裏面、ゴシップ的な部分を含めて、読み応え充分です。勉強になった上に、中村さんの意見も、志もわかる。ただし、かなり好意的に読まないと、論旨に一貫性が欠けているようにも、ご都合主義的にも読めます。また、聴いてもいないフジ子・ヘミングについてナニゴトかを語ってしまったりというフライングもあります。要するにツッコミどころ満載です。ぼくは、「中村紘子」のキャラ属性(育ちが良くて、頭が良くて、気が強くて、志が高くて、ちょっとイジワルで、感覚的で、世間知らずで、そのくせ音楽的世間では政治的に見えたりもする)は嫌いじゃないのです。一種のお蝶夫人だなと思って見ているわけですね。