オヤジだけどさぁ

オヤジのためのクラシック音楽入門―バロックから現代音楽まで

オヤジのためのクラシック音楽入門―バロックから現代音楽まで

  • だんだん聴く範囲が拡がってきたので、手軽に知識を整理するにはいいかな…と。バロックから現代音楽(前衛ではない)まで、代表的な音楽家の解説とお薦め名盤の紹介をコンパクトにまとめてます。知ってるところはスッ飛ばし、知らないところはちゃんと読むという感じで整理整理。著者の本職は高校の先生だそうで、平易に語る技術は大したもんだと思いました。まあ、大量に音楽を聴いてて、キモになる文献を知ってればできそうな仕事ではあるのですが、それが簡単にできるんだったら物書きは苦労しません。推薦盤が自分の好みでズバッと決め打ちしてあるのもいい。ただ、このタイトルはあんまりだよね。営業政策上はアリだと思うけど。タイトルはまあ仕方ないとしても文中で「オヤジ殿」と読者に語りかけるのはやりすぎ。あと、疑問なのは入門者向けの本のなのに「オヤジ殿も興味があればスコアを見て…」なんて(引用ではなくそういう文意)の記述がある点。あのー、スコア読める人はこーゆー初心者向けの本読まないと思うんですけどお…。どう考えてもスコア取り寄せてチェックするのはかなりのマニアだよね。あと、「おっ」と思ったのは、「反音楽史」についての言及がある点。著者としては目から鱗な点もあったそうです。確かに石井宏氏の論は極端にも思えますが、ドイツ音楽中心史観は近代の情報操作も作用しているのは恐らくホントでしょ。本書の著者も触れてますが、事実として宮廷の楽長はイタリア人だったわけですから。

反音楽史

反音楽史