待合室で読んだ本

愛と悔恨のカーニバル

愛と悔恨のカーニバル

  • タイトルが直球だった。登場人物のキャラが立っててドライブ感あり。ネタバレになるのであまり書かないけど、猟奇事件と金持ち不良共の事件がクロスするという非現実的な展開を気にせず読ませるのは、ヒロイン姫子のキャラ力(きゃらぢから)でしょう。登場する人間が全員壊れてる。敵役である極悪少年の母親(ジャーナリスト)がまたカッコイイ。男どものホモソーシャル性を罵倒、嘲笑しながらも、そこに「美」もまた見いだすというフトコロの深さ。しかし、息子があんな人間になっちゃったのはアンタのせいですからぁ♪ 印象だけババッと書きますと「ヒメのチカラ」でグイグイと物語を牽引する、まさに今時なクライムノベル。ポスト・マチズモ小説ですね。打海文三の読者層がどのへんなのかわかりませんが、ラノベ好きな人とか美少女系エロ漫画好きな人もスッと入っていけそうな。ほら、あのキャラとこのキャラが思った通りにアレな関係なわけで、で、こっちはセクスレスで…。打海文三さんの作品はもうちょっと読んでみよう。ざっと調べた感じではストーリーよりもキャラの人っぽいんだけどどうよ? 違うか?