石の猿

石の猿

  • 寝たきり鑑識探偵リンカーン・ライムのシリーズ第四弾です。ライムて誰やねん? という人でも映画化されたシリーズ第一作『ボーン・コレクター』のことはおぼえているかもしれませんね。第二作『コフィン・ダンサー』が自分としては全く面白くなかったのと、第三作『エンプティー・チェア』がなんかアメリカ南部を舞台にした鬱陶しそうな話だったのでパスして、久方ぶりに気まぐれで第四作を読んでみましたという次第。今回の犯人さんは極悪な蛇頭「ゴースト」。拿捕されそうになると難民ごと船を爆破轟沈させちゃうわ、証拠隠滅のために生き残った難民を追跡して殺して行くわ、裏切り者は嬲り殺しにするわという悪いヤツなんですな。こういうスクリューコースター小説は細かいこと気にせずに一気に読んでしまうのが正解。冷静に考えればヘンだと感じるところが全部、伏線になってるというわかりやすさ。これ書いちゃうとネタバレになるのでやめときますが、事件の発端からヘンなワケでさ。フツーは、んなことやる必要ないぜってなことをゴーストはやりまくるし、リンカーン・ライムも読者が気付くようなことにも気付かない。みんな最後のドンデン返しのためなんですね。面白いんだけど、ちょっと見え透いてるかな。てゆーか、リンカーン・ライム、鑑識課のアメリア・サックス、介護士のトムといったライム・ファミリーのキャラを楽しむ小説というわけ。

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