法務委員会傍聴2

 前回の続き。
定義論の不毛
 現行法のいわゆる三号ポルノの定義が広範すぎる。水着でもアウト、少年アイドルの上半身裸もアウトという可能性がある。実際に、そうした事例で摘発されることはありえないだろうという指摘は正しい。ただし、条文には除外規定はない。条文に「可能性」を残すことが問題なのだ。
 その意味では民主党案はより厳密な定義になっている。とはいえ、そこでも曖昧さは残っている。どうしても定義には例外がつきまとう。これは致し方がない。問題はその「程度」をどこに置くかだ。
 定義は重要だけど、そこにだけこだわると珍妙な論になる。児童保護が大前提なんだから被害の有無、程度に目を向けないと意味ないでしょうに。
 単純所持に関しても微妙な文言があって枝野議員(民主)に葉梨議員(自民)が突っ込むのもソコ。枝野vs葉梨。頭文字をとって枝葉の論ですなというのは不謹慎か? ま、葉梨議員が攻めてるように見えて、警察官僚的論理の怖さを浮き彫りにしちゃったという結果を見れば枝野議員の方が一枚上手かも。
民主党は着エロやR15を問題視している
 わりとこの問題は繰り返し指摘されていた。二次被害が出る可能性が高いと思う。ただ、ここでも基準はどうするのか? という疑問が起きる。何をもって児童ポルノと判断するのか? 悪質な児童ポルノ、即ち性的虐待の記録写真とでも呼ぶべきものは論外として、18歳未満の児童が「一応は水着のようなものを着用している」場合、現行法ではグレーゾーンであって、ケースバイケースでの判断になるのだろう。「殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」と定義する民主党案の方が摘発はしやすいように思うのだがどうだろうか? ただ、委員会でも突っ込まれていたが「殊更に」「若しくは強調」という文言はたしかに引っかかる。誰が判断するのか? 結局は警察の判断であり、最終的には裁判所の判断ということになるのだろう。
 法律家ではないオレの判断では「全身タイツの児童がエロティックなポーズをとっている写真」は民主党案ではアウトになる可能性があるが、現行法ではセーフになるんじゃないかと思う。この辺は弁護士に話を聞いてみないとわからない。てゆーか、判例が出ないと正確なことは言えない。
マンガ・アニメ・ゲームはほとんど話題にならず
 全く触れられていなかったわけではないが、論議というレベルではなかった。中心は定義と単純所持。