山本勝之氏急逝

 旧知の某誌編集長から
「連絡行ってる?」
 と電話。
「何言っんのかわかんねーよ」
「カッちゃんが亡くなったんだよ」
 あわてて、校閲作業を中断し、お通夜にかけつける。
 オレよか若い人には馴染みの薄い名前だと思うが、『ヘヴン』のライターで、別名・山本土壷。
 中沢慎一編集の『ビデオ・ザ・ワールド』や東良美季編集の『ボディプレス』では、ビデオ・サーティズ(オレ、高杉弾友成純一)として毒舌を競った仲。
 オレとは歳も変わらないのに、暗澹たる思い。
 白夜書房コアマガジンの現役、OBを含め多数列席。
「お葬式以外では会わなくなっちゃったね」
 と知り合いの女性としみじみ。
 かと思えば、
「まだ死ぬような歳じゃないでしょ。順番違いますよね。順番から言うと…」
 と、元担当編集がオレの方を見たので、
「バカヤロー」
 と怒鳴ったり……。
 最近のヤマカツは俳句に凝っていたそうで、会場では句誌掲載分から抜粋した『山本勝之百句』が配布されていた。

 ほんとだってば隣近所がみなおでん
 一升瓶ぶら下げ道行けば菊の前
 ぽっくりと逝ってください冬の蝿

 並んだ句の、「いかにも」加減にホロリ。